人生ベストの映画に出会った−『海獣の子供』を観て。

人生でベストの映画になりました。(それまでは『ヒミズ』)


言葉で表せられない感動があって、言葉にするとこぼれ落ちるものが多すぎる。

だけど、だけど、言葉にしておきたい。

その言葉はとりとめもなく、意味もなく、雑に思われるかもしれない。

そもそも言葉に頼ることがおこがましいか。

海も宇宙も、生命も、僕が知っていることなんてほとんどないし、だからこそ世界は美しい、気がする。というより、だからこそ生きていたいって思える。

多分、断片的な羅列になるだろうけど、気持ちを言葉にしたものそのまま差し出します。

映像美

画の迫力、カット割り、線の美しさ、動き…アニメーションとして最高峰なんじゃないかって。『鉄コン筋クリート』を手がけたSTUDIO4℃って宣伝されているけど、『鉄コン筋クリート』以上の衝撃というか、クリエイティブ力にただただ驚嘆。

音楽

久石譲さんが創られる音は郷愁めいていて、いつも心のどっかを触るが、今回はそれ以上に、“音が止まる瞬間”に引き込まされた。その瞬間こそがハイライトだと思うけど、海の中にいるかのような、海に包み込まれているような、そんな音楽。これは劇場だからこそ味わえた感覚だと思う。久石譲さんというとジブリを想起するが、ジブリ以上にジブリというか、宮崎駿さんができなかった映画なんじゃないかって。そして米津玄師さんの『海の幽霊』。『Lemon』と比較して微妙なんてスレを見かけたが、そんなことはない。MVを観た米津さんファンは映画館行くべき。もっとこの歌が好きになるはず。米津玄師さんと五十嵐さんの対談も読むと一層。https://www.kaijunokodomo.com/crosstalk/

声。芦田愛菜さん素敵すぎる。日本のナタリー・ポートマンって誰かが評していて、なるほどなぁなんて思っていたが、芦田愛菜さんは芦田愛菜さんだ。声優としての表現力もものすごい。紛れもない、この物語の主人公の声だった。個人的には田中泯さんの声というか、キャスティングが、この物語に「オドリ」の要素を加えてくれているような気がして。海でオドル。生命が吹き込まれたアニメーション映画。

原作

恥ずかしながら、五十嵐大介さんのことを全く知らなかった。映画化してくださってありがとうございます。五十嵐大介さんという作家を知れてよかったです。作品買います。

ストーリー

ガールミーツボーイというか、少女の成長。母性の獲得。(食事のシーンも美しくて、これもジブリっぽいって思ったところなのかも知れない。)夏の映画であり、「今」観るべき映画なんだと。映画の冒頭から惹き込まされる。エンドロールの後にも重要なシーンがあるので、席を立たないでほしい。映像に目を奪われるが、会話劇でもあり、どのシークエンスも目も耳も離せない。

そして、海。

トンガ王国でクジラと泳いだことを思い出した。めちゃくちゃ船で酔っていて気持ち悪かったのが残念すぎるんだけど、海の中でクジラを見たとき、目が合ったときに感じた、畏敬の念を、この映画で思い出した。予告を観たときから、この映画は「眼」だなって思っていたけど、「眼」が記憶を、「掌」が想いを思い出させてくれる。トンガでの経験は二度と得ることのできない感覚だと思ったけど、近い感情を抱かせてくれた。思い出させてくれた。思えばダイビングの免許とったけど、とって以来一回も潜っていない。誰か潜りに誘って。そして、最近水族館に行きたくて仕方なかったのだけれど、舞台が新江ノ島水族館だったし、これは一人でも行こうと、早く行きたいと、そう思った次第。欲をいえば、もう一回トンガに行きたい。多分、いく。いつかきっと。

最後に

これは、生命の物語であったと思う一方、再生の物語でもあったんじゃないかって。海に還る。生命は巡る。世界は廻る。明日も生きていく。

Twitterみたら、怖かったとか、よくわかんなかったとか、面白くなかったとか、アートだったとか、でも素晴らしかったとか、そんなツイートが並んでいたし、このブログもそれに近いことをうだうだと書いてきたように思えるけれども、おかげさまで少しは気持ちの整理ができた。もう一度観たい。漫画も読みたい。繰り返しなんだけど、「今」観れて本当によかった。ありがとうございます。

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